NARUTO
〜九妖忍法帳〜 07話目




ここはうずまきナルトの裏の顔、【九妖】が小隊長を務める暗部・第九班の詰所。

只今の時刻は午後10時、窓の外の暗闇に月が浮かんでいる。

現在ナルトはこの場に居ない。

代わりに、木ノ葉の七不思議【面をつけない暗部】で有名な、玉藻・夜空・雪の3人が居る。

ちなみにナルトはどうしているかというと、封印の書の一件が終わり紅との浮気がどうのと泣き出したアンコ誤解を解くため一睡もしていないからだ。

そりゃあもう誠心誠意、心と体とを使って時に優しく、それでいて時に激しく自分の無罪を主張したものだ。

その結果、誤解を解いた上に『下忍になってもいい』とのお許しももらえた。

だが、その代償に気力と体力をギリギリまで消耗してしまった。

その状態で忍者登録書提出などの手続きがあったものだから、家に帰ったとたん布団に入り現在も家で熟睡中である。

そして隊長であるナルトが居ないのを良いことに、3人が何やらよからぬ企みを企てている。

「・・・して首尾はどうだ?」

「例の物ならここに・・・」

「ふふふ〜意外と簡単でしたね〜」

夜空が懐から取り出したのは、今期の下忍担当候補者のリスト。

「ナルトの担当は誰になっておるのだ?」

「え〜と・・・【はたけカカシ】?」

「あ〜、ガイ様の永遠のライバルって方ですね〜」

「班員は【うちは サスケ】・【春野 サクラ】・・・知らん」

「知らんって・・・御前様、あんた人間の名前ば覚える気やらなかろーもん」

「女の子の方は分りませんが〜、男の子の方はナルトさんの護衛対象ですよ〜」

まるで品定めをするかの如く、書類に目を通す面々。

3人の目的はズバリ、ナルトの担当上忍の確認。

そのためだけに火影の執務室に忍び込み、一応は機密扱いの書類を盗み出してきたのだ。

彼等がこんな事をしている理由は一つ。

ナルトの為である。

基本的にうずまき一家(アンコ・玉藻・夜空・雪)の行動理念は常にナルトを中心に考えられる。

ぶっちゃけ、ナルトの為ならば平気で五大国を敵に回す様な連中である。

封印の書の一件で、ナルトは期せずして下忍として働く事になってしまった。

下忍の基本はスリーマンセル。

1人ならともかくナルトは人前では実力が出せない。

ただでさえ暗部として働いてるのに、それに加えてドベのフリをして下忍の任務までやるのは大変だろう。

だったら自分達が一肌脱ごうじゃないか。

そして、下忍として任務に就いたナルトが少しでも動きやすいように、と考えた結果がコレである。

「この者はどういった忍なのだ?」

うずまき一家の人間以外に興味のない玉藻が、カカシのことを尋ねる。

「ナルトの話やったら・・・人として信用できんて言いよったね」

昨年の一件以来、ナルトのカカシに対する評価はかなり低いものとなっている。

故に自分の身内には、『三馬鹿には絶っっっ対に近づくな!』と口を酸っぱくして言い聞かせている。

「そうですね〜基本的にやる気無い人らしいですよ〜」

「ふむ・・・どうやってこの男をその気にさせるか・・・だな」

腕を組みしきりに頭を捻っている玉藻。

「あ!確かこん奴、自来也さんの書いた小説ば読みよったバイ!」

ナルトから聞いたかなり偏ったカカシの情報を思い出し、パチンと指を弾く夜空。

「よし! ならばその手で行くぞ! あの色情狂も偶には役に立つではないか!!」

何気に酷い事を言いつつ、突破口が見えたと勢い良く立ち上がる玉藻と夜空。

「それは無理ですよ〜、忘れたんですか〜? それ御前様が捨てちゃったじゃないですか〜」

開いた突破口はわずか2秒で閉じた。

「・・・そうやったね・・・貰ったその日に燃やしたっタイね」

「・・・・・・・・・すまん」

自来也が土産と称し置いて行ったイチャパラが、玉藻の手によってとっくに灰になっている事を思い出して肩を落とす2人。

「「「・・・・・・・・・・・・」」」

名案の見つからないまま30分が経過。

最初に意気込んでいただけに、皆落胆の色を隠せない。

しかし、

「ならば実力行使だ!!」

沈んだ空気を吹き飛ばすというか、もはや開き直った玉藻が半ば自棄くそで叫んだ。

「そうやね!当たって砕けろってゆーけんね!!」

同じく自棄になった夜空が玉藻に続いて立ち上がった。

「そうですね〜、じっとしてても始まりませんし〜!」

口調はトロイがこれまたやる気満々の雪。

「では、カカシを見つけ次第説得(脅迫)する!!」

「誠心誠意、心(殺意)を込めて話せば分ってくれるやろ!」

「私が居ますから〜多少の無茶(暴行)はできますよ〜」

「行くぞ皆の者!!!」

「「おお(〜)!!」」

滅茶苦茶物騒なことを平然と企てながら、拳を高々と掲げる3人。

この連中には非常識と言う言葉がぴったりだ・・・・・・とはナルトの言葉。

非・常識人達は間違ったノリで間違った手段を実行するべく、目にも止まらぬ速さで部屋を飛び出していった。












―その頃カカシは―

人気の無い夜の山道を通り、紅・アスマと共にAランクの任務を終えて里に戻る途中だった。

「はぁ・・・」

「どうしたのよカカシ?」

「そんなにキツイ任務でもなかったじゃねぇか」

「明日から当分の間Dランク任務だと思うとさぁ・・・」

普段からやる気の無い男だが今日はそれに輪をかけてやる気が感じられない。

明日はアカデミーを卒業した生徒達の説明会があり、その次の日は卒業生の中から下忍を選定するサバイバル演習。

自分の受け持ちの候補生が合格すれば担当上忍となるので、高ランクの任務など望めない。

カカシは退屈な低ランクの任務が嫌いらしい。

「アンタは今まで合格者出してないでしょうが!」

ストーカーのアスマとチームを組まされてご機嫌斜めの紅が、半分八つ当たりでカカシを怒鳴る。

「まぁまぁ・・・良いじゃねぇか紅。 それに今回はコイツも合格者を出すかも知れねぇぞ?」

紅とは逆に喜色満面のストーカーアスマ。

以前九妖にヤキを入れられ『今度、紅さんをつけ回したら・・・・・・分かってますよね?』と脅されやむなくストーキングを断念したため、合同任務なら九妖も文句は言えず、公然とストーキングできることがよっぽど嬉しいらしい。

性懲りもなく紅の肩に手を回そうとしたが、それは紅によって叩き落とされた。

「・・・・・・・・・なんでアンタにそんな事がわかんのよ」

―ふっ、照れやがって・・・まぁそんな所も可愛いんだが。

紅が明らかに嫌そうな顔をしているのに、相変わらず自分の都合の良いように解釈するアスマ。

しかも叩かれた手をウットリした顔で擦っている。

この男、マゾっ気もあるようだ。

「今年のガキどもは粒揃いだしな」

「・・・・・・たしかに」

救いようの無い変態ではあるがアスマの言うことはもっともなので、紅は嫌々ながらも同意を示す。

今年の下忍候補生はうちは一族の末裔を筆頭に、里の名門の子供達が大勢いる。

アカデミーを卒業したばかりの見習いではあるが、上層部も大いに期待を寄せていて合格は間違いないだろう。

そしてそのエリート下忍候補生を受け持つのはカカシ・紅・アスマの3人である。

「しかもオマエの担当は、あの【うちは】だろ?」

「まだやってみなきゃ分んないよ?」

「「・・・・・・・・・・・・」」

口に手を当てて、にんまりとイヤラシイ表情になるカカシ。

この男は自分の目的のためなら手段を選ばない。

担当になりたくないが為に子供相手に大人気ないことを平気でやりそうだ。

カカシの思惑を察して紅とアスマは眉間を押さえた。

しかし・・・・・・・・・、









「伏せろ!!! 紅!!」

突然カカシが大声で叫び、3人の死角からクナイが飛んできた。

「っっ!!」

紅は咄嗟に反応したがかわしきれず左腕を抉られ、カカシとアスマがすぐに敵を確認し手裏剣を放つ。

2人の放った手裏剣が弧を描いて敵に突き刺さる。

夜闇にまぎれて岩陰に潜んでいた敵はその場に崩れ落ちた。

敵の目的はカカシ達の持つ密書。

カカシ達3人が受けた任務は、火の国の大名から水の国の大名へ宛てた外交文書の繋ぎ役。

無事に任務を終えて、後は里に戻って火影に報告書を渡せば全て終わるはずだった。

だが、3人に向けて追っ手が差し向けられた。

「紅!アスマ!油断するな!!」

倒した男の仲間が岩陰から次々に姿を現す。

瞬く間に20を超える敵に周りを囲まれたカカシ達は、互いに背中合わせに陣を組んで頭上の敵を睨みつける。

彼の切り札とも言える車輪眼を発動させるが、表情に余裕は見られず頬に汗が伝っている。

「わかってるよ!! それよりも・・・紅!」

警戒を呼びかけるカカシの声に応えたのはアスマ。

腰を深く落とし両手に装備した愛用の武器を携え、敵を牽制しつつ紅に呼びかける。

「ええ・・・このぐらい平気よ!」

クナイを右手に構えた紅。

左手は深く切り裂かれ、着ている服は自身の血で赤く染まっている。

大丈夫だと虚勢を張ってはいるものの、おびただしい量の血液がダメージの深さを物語っている。

左腕は徐々に感覚を失い、すでに印すら結べず得意の幻術も使えない。

しかし、周りを囲む敵は間合いを詰めてようとはせず遠距離からの攻撃のみを仕掛ける。

―クッ! 敵の数が多すぎる!!

数の上では圧倒的に不利、加えて紅の負傷、さらに援軍など期待できない。

まさしく戦況は絶望的。

普段掴み所が無く、飄々としていて感情を表に出さないカカシも流石に焦りを隠せない。

やがて、3人に向かって無数の手裏剣やクナイが襲い掛かった。

三人は手にした武器で、飛来する凶器を捌き、叩き落す。

が、敵にとってはそれは、あくまでも次の一手の布石に過ぎなかった。

敵の本命は水遁。

飛び道具で敵の動きを封じ、その間に攻撃系忍術に長けた1人が印を組み術を発動させる。

圧倒的有利な情況でも油断は無く、確実に3人を殺すために遠距離から攻撃を仕掛ける。

少数の敵に対して最も負傷の危険が無く、効率的と言える戦術である。

長い印も後僅かで組み上がり術が発動する。

【水遁】

周囲の水分が敵の足元に集まり、次第に龍を模っていく。

コピー忍者の異名で名高いカカシも両手が塞がっていては打つ手が無い。

「来るぞ!!」

自分達にはどうしようも無いと分かってはいるがアスマが叫ぶ。

「くっ!!」

紅は思わず身構えようとしたが、左腕に走った痛みに膝を突きそうになる。

【水龍・・・】

最早これまでと紅は目を閉じた。

だが、敵の術が発動する事は無かった。









最後の印を組もうとした男は、術を放つ直前に、両腕の肘から先をスッパリ断ち切られた。

「ぎっ・・・ああああああああ!!!!」

激しい激痛に悲鳴を上げながら、大量の血液を撒き散らし地面を転げ回る。

男の腕が斬り落とされた瞬間も、相手の姿は全く確認できなかった。

したがってこれは明らかに遠距離からの攻撃。

だが、手裏剣など何処にも見当たらないため物理攻撃の類ではない。

全く予想だにしなかった事態に敵は焦りを覚え、姿を見せない相手に恐怖する。

一方、カカシ・アスマ・紅の3人は絶体絶命の危機を救われホッと胸を撫で下ろした。

しかし結果的には救われたが、まだ味方と決まった訳ではない。

すぐさま表情を引き締め陣を組みなおす。

「・・・援軍か!?」

アスマが敵に注意を払いながらも辺りを見回す。

すると、一際高い岩山に月光を背負った3人の人影があった。









「天が呼ぶ! 地が呼ぶ! 人が呼ぶ! 我こそは流星の使者・・・」

オイシイところに登場したことで、すこぶるご機嫌の夜空。

「なかなか面白い状況になっておるな」

完璧に他人事、と顎に手を当てて高みの見物を決め込む予定の玉藻。

「私たちが来たからにはもう大丈夫ですよ〜!」

この場で唯一、カカシたちの身を案じる雪。

そう、カカシたちの窮地を救ったのは、うずまき家居候・兼暗部第九班の3人であった。

「・・・・・・あの、決め台詞の途中で割り込まんでくれるね?」

「やかましい、黙れ」

抗議の声を鮮やかに斬って捨てる玉藻に渋々黙る夜空。

流石に最強の妖魔。

威圧感も半端ではないのでビビってしまった。

「・・・・・・とー」

本来なら決め台詞と同時にカッコよく飛び降りるつもりだったのだが、玉藻によって一気にテンションが下がり夜空はどこか投げやりな感じでカカシ達の目の前にダイブした。

それに続いて玉藻と雪も飛び降りていく。

「あら〜? 紅さんお久しぶりですね〜」

20mはある岩山から軽く着地を決め、正月以来の再会にのほほんと挨拶をする。

「今はそれどころじゃないでしょう!!」

紅にしてみれば状況が状況だけに挨拶をする余裕などまったく無い。

「まぁそう怒鳴るな・・・アレをどうにかすれば良いのだろう?」

玉藻は未だに周りを囲んでいる敵を平然と顎でさす。

「お前ら! この状況がわかってるのか!?」

「まだ数の上ではこっちが不利なんだぞ!!!」

全く緊張感の無い面々にカカシとアスマが思わず声を荒らげた。

声には出さなかったものの紅もまたカカシとアスマ同意見である。

「やったら、ちょっと待っとって、アレば片付けるけん」

「「「なっ!」」」

当たり前のように言ってのけた夜空に、正気を疑うような眼差しが向けられた。

周りの敵からも驚きの声が上がるが、一向に襲い掛かってくる気配は無い。

最初に理解不能の攻撃で仲間の腕を飛ばされ、うかつに手を出す事ができず相手の出方を伺っているから。

「1人頭6人ってとこですね〜」

雪は額に手をかざし覗き込むように敵を見渡し、数を把握して大まかな振り分けをする。

「うむ、雑作も無い事だ」

一片の迷いも見せることなく、自信に満ち溢れた玉藻。

そして、

「・・・殺るぞ!!」

「「了解!!」」

固まっている周囲を気にも留めず、玉藻の号令とともにその場から三人の姿が消える。










夜空は一気に相手の間合いを侵略し、蹴りを主体とした攻撃で戦う。

まず右の回し蹴り。

次に一撃目の遠心力を乗せた左の横蹴り。

すかさず右の前蹴り。

一撃目は喉を切り裂き、二撃目は内臓を潰し、最後は腹を貫いた。

人の身を遥かに凌駕した夜空のスピードに、まともに防御すらできずにあっけなく殺されていく。

振るえば太刀、打てば大槌、突けば槍、修練の果てに凶器へと昇華した二本の足。

片腕を失いナルトに拾われて以来、ただひたすらに強くなろうと血を吐く思いで磨き上げた業。

結果として彼は、片腕という忍として致命的なハンデを乗り越え、片腕を失う前よりも遥かに強くなり、火影すら上回る力を手に入れた。

僅か一呼吸の間に3人を倒し、残る敵に向かって歩を進める。

「ボサッとすんなぁ!!」

怯える敵に口元を吊り上げ、向かって来いと激を飛ばす。

「術だ!! 遠距離から仕留めればそいつは何もできん!!」

片腕の夜空を見て忍術は使えないと判断し、男達は素早く印を組み上げる。

「残念やったね」

だが夜空はニヤリと笑い、

【星河流忍術!土遁・地走り!!】

足の裏を地面に叩きつけ、力強く大地を踏み鳴らす。

夜空の前方の地面を半円形の衝撃波が駆け抜け敵をなぎ払う。

印を結ぶこともできず、恐ろしい速度の衝撃波がせまり来る。

衝撃の波が直撃した男達はまとめて吹き飛ばされ、背後の壁に叩きつけその命を絶った。

衝撃の波が駆け抜けた地面は、見るも無残に抉られていた。

夜空が使ったのは【地走り】、地面を踏み鳴らし発生した振動をチャクラで増幅。

本来は術者を中心として360度の広範囲をなぎ払う術だが、後方に味方が居たためチャクラを微調整して範囲を限定したのだ。

・・・・・・・・・間違って玉藻に当りでもした日には、地獄が待っている。

印を必要としないのでタイムロスが全く無いが、ぶっちゃけ空中に飛べば問題ない。

本人は【星河流】と呼ぶ。

さも自分で編み出した様に言っているが、実際はナルトと試行錯誤の末に創った忍術である。

・・・・・・・・・・・・ナルトは別段気にしていないが。









一方接近戦に持ち込んだ夜空と違って、雪は素手で敵と10m程距離を置いて対峙している。

のんびり屋でマイペースの彼女だが、今の彼女にはその気配は微塵も無い。

文字通り、名は体を現す。

普段の朗らかなお日様の様な笑みとは真逆の、見るもの総てが凍りつく氷の様な微笑を浮かべている。

敵は自分達との位置関係から雪が中遠距離方と推測したが、それは間違いではない。

岩を盾にして岩陰から手裏剣やクナイを投擲して攻撃している。

だがそれらは雪が手を振るった途端、見えない何かに弾かれて雪まで届く事はない。

先程カカシ達に水遁を放とうとした敵の腕を斬り落としたのは彼女だ。

「クスッ・・・・・・いい加減飽きてきましたね」

雪の呟きに周囲の温度が下がった。

彼女の姿はとても美しいと思うのだが、その瞳を見ていると背筋に冷たいものを感じ体が震えだす。

雪はだらりと下げた手を、虚空に向かってまるで引っ掻くように斜めに振り上げた。

途端に岩陰に潜んでいた男を見えない何かが恐ろしい切れ味で、盾にしていた岩ごと細切れにした。

「〜♪」

雪は歌を口ずさみ腕を大きく振りながら妖艶な舞を踊り始める。

その腕の振に合わせて硬い岩肌に五本の線状の爪痕が刻まれ、飛んでくる鋼のクナイさえも切り裂いていく。

そして、舞が終わる頃には周囲の地形は原型を止めておらず、岩陰に潜んでいた敵も全員が豆腐のように斬り刻まれていた・・・・・・・・・。

雪が敵に使った見えない何かの正体は糸である。

ただし肉眼では確認する事のできないチャクラの斬糸。

霧隠れの医療忍者であった雪が、戦場で縫合用の糸が底をついた時に応急処置として使っていた術を戦闘用に改良したものだ。

糸の太さや強度は使用するチャクラの量で調節が可能。

ただ術者本人にも糸を目視する事ができないのが難点だが、雪は日頃の修練により9割方糸の動きを把握しているので問題ない。

ついでに写輪眼や白眼の使い手なら糸を目視できる。









「どうした、かかって来んのか?」

月の光を浴びて鮮やかな金髪が煌めき、束ねた髪が美しく風になびく。

玉藻は散歩でもするかのように、悠々と歩を進め敵に歩み寄る。

大の大人・・・それも数人の忍がたった一人の女に震えている、ある種異様な光景だった。

敵は本能が告げる圧倒的な力の差を感じ、涙を流して脅えている。

恥も外聞も捨てて命乞いをしたいが、恐怖のあまり声を出す事もできない。

「・・・・・・やれやれ。
 数に頼り、弱者には情けを持たず、力を持つものには逆らえぬか。
 ・・・・・・・・・・・・貴様等を見ていると虫唾が走る」

脅える敵に対して情け容赦ない侮蔑の言葉を吐き捨てる。

自身の愛する子を殺した人間もこんな連中だった。

生まれて間もない何の力も持たぬ子狐を、大勢で囲んで嬲り殺しにした憎い人間。

その日は運悪く妖魔としての力の落ちる、自分にとっては最悪の日だった。

普段の1割にも満たぬチャクラだが、それでも木ノ葉に牙を剥いた。

だが、その人間達は自分の命で償うべき罪をただ1人の幼子に擦り付けた。

この人間どもの姿がそいつ等に重なって腹立たしい。

「・・・・・・・・・爆ぜろ」

視線を向けることも無くただ一つの言霊を紡ぎ、背を向けてその場を後にする。

残されたのは首の無い七つの死体でだけあった。

玉藻の使った術は忍術ではなく妖術。

相手の脳神経に直接命令を叩き込み、内側から破壊する防御不能の術。

ただしこの術は自分より精神力の弱い敵には効くが、自分と同等、もしくはそれに近い精神力の持ち主には効かない。

玉藻が持つ術の中でも、それほどチャクラを消費しないお手軽な術である。

・・・アスマには効き目がなさそう。









「2人とも終わったようだな」

先程まで不機嫌な表情だった玉藻だが、夜空と雪の姿を見て穏やかさを取り戻す。

「あはははは〜またやっちゃいました〜♪」

こちらも2人の姿を見て普段の口調と表情に戻る、ある意味ナルトに匹敵する二重人格の雪。

「2人ともご苦労さん!」

2人とは逆に終始いつも通りの夜空。

うずまき一家の桁違いの実力に完全に思考が停止しているカカシ・アスマ・紅の3人。

「紅さん、せっちゃんに腕ば診て貰わんね」

「え、ええ・・・」

夜空の提案に固まっていた紅が動き出す。

「そうだぞ、二号とはいえ主の女・・・お主が傷ついては主が悲しむ」

玉藻の何気ない一言にアスマの血管が切れた。


「ふざけんじゃねぇ!!! 紅はオレのおんぐへぁ!!」


口が開いた瞬間に視線すら向けない玉藻が顔面に向かって裏拳を振り抜き、アスマはキリモミ回転しながら吹き飛ぶ。

そのまま倒れたアスマを引きずって岩山の隙間に放り込み、出てこれないように上から大岩でフタをする。

仕上げに懐から筆ペンを取り出し達筆な字で岩に『アス魔の墓』と戒名を刻んであげている。

残るカカシは何故か紅の治療をする雪を凝視している。

そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「キミの名前は!? 住所は!? 恋人いるの!?」


「「「は?」」」

カカシが勢いよく雪に近づき、その様子に玉藻・夜空・紅の3人が『ついに逝っちゃったのかコイツ?』って顔で驚く。

「少し待ってくださいね〜? もう、紅さんの治療も終わりますから〜」

名前を聞かれた本人は紅の治療に専念しているため、視線の欠片も向けようとしない。

カカシは仕方が無いので大人しく待つことにしたが、遠足前にドキドキして眠れない小学生の様な心境で落着かない。

どうやら雪に一目惚れしたらしい。









―3分後―

紅の治療は無事に終了した。

負傷したのが嘘のように、綺麗に傷が消えて傷跡も一切見当たらない。

「ありがとう・・・それにしても凄い腕ね」

「えへへ〜そんな事ないですよ〜」

紅が感謝と賞賛の言葉を送り、雪は照れたように両手を振って謙遜する。

2人の和やかな雰囲気に玉藻と夜空も笑顔になり場の空気が暖かくなった。

・・・・・・・・・なったのだが、それはカカシによってぶち壊しになった。


「ねぇねぇねぇ! 紅の傷のことなんてどうでも良いからさ!!
 キミのこと教えてよ!! 名前とか住所とか住所とか住所とか!!!」



カカシの失礼な態度に、紅の眉がピクリと吊り上り眉間に皺が寄る。

玉藻と夜空はナルトがなぜコイツに近づくなと言っていたのか、実物を見て『ああ、ナルホドね』と理解した。

「【睦月 雪】と言います〜。 それと初対面の人に住所を教えるのはちょっと〜」

興奮してピンク色のチャクラを出す変態に対して、律儀にも丁寧な対応をするうずまき一家の守り神。

「んじゃさ! 今度2人でどっか逝かない?」

興奮のあまり台詞に何か不穏な念が見え隠れする変態忍者カカシ。

『こんなのが里一番で大変だろうな〜』と玉藻は三代目火影をちょっと気の毒に思った。

ちなみに三代目は玉藻の正体が九尾とは知らず、何気に仲の良い茶飲み友達だったりする。

一方の夜空はこれが担当になるなんて、『ナルトも大変やね』と思わず熱くなった目頭を押さえた。

また邪なチャクラを向けられた本人は、

「お誘いは嬉しいんですけど〜私には心に決めた人が〜・・・イヤン♪」

自分の思い人である青春大好きの熱血男を思いシナをつくっていたりする。

「・・・・・・・・・そいつの名前は・・・?」

いつもやる気の欠片も見せない男だが、自分の目的の為には金と労力を惜しまず、どんなに汚い手段も平然と実行してのける一応里一番のコピー忍者、その名も【はたけカカシ】。

殺気を隠せてないが隠してるつもりで、幸せ一杯の雪に詰め寄る。

自分の世界に旅立っていてカカシの殺気など毛程も感じない、チョット変わった思考回路と美意識の持ち主。

「私の愛しい人の名前は〜【マイト・ガイ】様です〜♪」









「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジで?」

全くもって予想していなかった言葉に一瞬『シャレかな?』とか思ったカカシだが、雪の様子を見る限りその可能性はゼロだとわかる。

『よりによってガイかよ!!?』とカカシは心の中で永遠のライバルに悪態をついた。

紅もカカシ同様に驚いたが、別にカカシの失恋などどーでもいいためあっさりと事実を受け入れた。

玉藻と夜空は理解しがたい雪の趣味に、いつものことで慣れているため我関せずを決め込んでいる。

アスマは未だ墓の下なので、納得がいかないのはカカシのみ。

だが腐っても里一番の忍である彼はこの場で騒ぐことなどせず、密かにガイの抹殺を心に誓いドス黒い笑みを浮かべた。

とりあえずカカシの計画は次の通り・・・。

@まず、誰にもばれない様にガイを抹殺。

Aガイが死ねば雪は悲しみにくれる。

Bそこへカカシが登場し雪を慰める。

C雪はカカシの優しさに惹かれ徐々にカカシへの愛に目覚める。

D後は欲望にまかせイチャイチャパラダイスに突入。

「え、えへ、えへへへへへ!」

雪同様に自分の脳内妄想の世界に突入し、傍目から見たら薬中患者がトリップしたように涎をたらしてケタケタと笑う。

紅は壊れた同僚を見て真剣に辞表を出そうかと考えたが、忍を辞めて愛しい九妖に会えなくなるのは嫌なので何とか思い直した。

玉藻と夜空はカカシの人として間違っている考えを察し、先程のカカシに負けず劣らず邪悪に口元を歪める。

そして当初の目的である『カカシをその気にさせる作戦』を遂行するために、雪を強制的に現実に引き戻した。

(雪、あやつをその気にさせる方法が見つかったぞ)

カカシ達から離れ、円陣を組んで小声で密談するうずまき一家。

(ホントですか〜!?)

(うむ! カカシの奴は私に任せるが良い、お主は紅の方を頼む)

(紅さんですか〜?)

(流石にカカシさん1人に任せるのは不安やろ? 味方は多いほうが良かっタイ)

カカシがやる気になったとしても、流石に変態を信頼する気にはなれないらしく、常識人の紅にもできる限り協力してもらう事にしようと玉藻と夜空は考えた。

使えるものは総て使う、ナルトの為なら多少の道徳などポポイのポイである。

(では夜空・・・貴様にはアレを任せるぞ)

(!!!!)

玉藻が言うアレとは、墓の下に眠る【戒名・アス魔】。

【俗名 猿飛アスマ】であった。

無情なお言葉に千切れんばかりに首を振った夜空だったが、御前様の一睨みであえなく撃沈・・・。

玉藻としてはあんなのでも無いよりはマシだろと、自分が説得するワケではないので軽く考えている。

しかし説得を押し付けられた夜空としては胃が痛くなるような思いで一杯だった。

玉藻がカカシ城を、雪が紅城を、そして夜空がアスマ城を嫌々ながら攻略に向かう。









―先陣・玉藻―

玉藻は接近に気付かずトリップしていたカカシの側頭部に、全身のバネを利かせた縦蹴りをかまして正気に戻す。

蹴られた方は暫く激痛にのた打ち回っていたが、間を置いて正気に戻り非難がましい目を向けてきた。

が、それは当然無視。

「貴様・・・【うずまき ナルト】を知っておるか?」

突然出てきた意外な名前にカカシは目を見開いた。

自分の恩師の忘れ形見であるナルトのことは、実際の面識はないが話には聞いたことがある。

里の英雄となるはずの子が、里の罪を背負って生きている。

恩師の息子の苦境に何もできなかった、カカシは思わず顔を伏せた。

「では主・・・九妖のことは知っておろう?」

「四代目の遠縁・・・って話?」

「うむ、そうだ」

思惑通りの答えが返ってきて、玉藻は胸をはって満足気に頷いた。

「そのナルトの担当が貴様になると小耳にはさんでな・・・ちと頼みたい事があるのだ」

「誰から聞いたか知んないけど・・・その頼みってのは何?」

話に食いついてきたカカシに玉藻は密かに、口の端を吊り上げた。

「主は四代目の子息の身を案じておってな。
 里一番と名高いカカシ殿にぜひともナルトの味方になってもらいたい・・・とこう申しておったのだ」

無論大嘘である。

ナルトがこの場に居たなら、それこそオリジナルの螺旋丸参式(対軍殲滅用)をブチかまして怒り狂っただろう。

流石に無理がある内容(主に里一番の件)にカカシが疑いの眼差しを向ける。

「我等九班の面々もナルトの身に何かあったらと思うと気が気ではない。
 特に・・・雪はナルトを実の弟のように可愛がっておるし?」

が、そこは人を化かすのを生業とする狐の妖魔、カカシが食いつきそうな餌・・・つまり雪を引き合いに出す。

案の定、カカシの眉はピクリと反応した。

「・・・・・・何が言いたいのかな?」

「はて? ・・・これは独り言だがな・・・将を射んとすれば・・・何であったかな?」

玉藻はニヤリと視線を投げかけカカシに掌を差し出し、

「・・・先ず馬を射よ!」

カカシもニヤリと笑い玉藻の手をしっかりと握り返した。

難攻不落のはたけカカシ、あえなく落城。









―中継ぎ・睦月雪―

「ナルトが九妖の弟!?」

「いえいえ、弟みたいな存在・・・ですよ〜」

こちらでも似たようなやり取りが行われていた。

しかし、変態のカカシと違い紅は常識・・・・・・の一部欠如している部分もあるが概ね常識人である。

その上以前にもナルトの世話を焼いたことがあり、ナルトに対して好意的な数少ない人物だ。

カカシの様な変態を味方に付けた所で絶対に喜ばないが、紅ならばナルトも喜んでくれるだろう。

すでに紅城を八割方攻略した雪は最後の仕上げに取り掛かっていた。

「隊長の正妻の座に就かれる貴女にとっては〜、いずれは義理の弟になる存在ですよね〜・・・?」

アンコがこれを聞いたら間違いなくぶち切れ、辺り一面に血の雨が降るほど物騒な台詞である。

だがアンコは明け方の後遺症で足腰立たない状態になり、うずまき家で静養中なので関係ない。

「そうよね・・・・・・。
 変態のカカシがナルトの担当じゃ、旦那様も気苦労が絶えないし・・・。
 ・・・いいわ。 いずれは義弟になるナルトの為だもの! 喜んで一肌脱ぐわ!!」

いつの間にか紅の中では正妻の座が決定している模様。

瞳に闘志の炎をたぎらせて拳を握り締めて決意をあらわにする。

「ふふふ〜期待してますよ〜? 隊長夫人〜♪」

心の中は真っ黒なことを考えつつも純白の笑みで紅を激励する小悪魔・雪。

「ええ! ありがとう!! 必ず期待に応えてみせるわ!!!」

こちらも玉藻に負けず劣らず鮮やかな手並みで紅攻略。

夕日 紅、会戦と同時に和議を結び無血開城。









―殿・星河夜空―

ある意味もっとも困難な城攻めと言えるアス魔・・・もといアスマ城。

夜空にやる気が無いのも問題だが、そもそも問題なのはこんなストーカーをナルトのサポートに付けようとしていることだろう。

むしろ余計に精神的な負担がかかり、下手をすればノイローゼになるんではなかろうか?

夜空の頭に幾つもの疑問が浮かんでは消える、ぶっちゃけさっさと帰って寝たいが御前様には逆らえない。

彼女は思い立ったら行動しないと気がすまない人なので、敵前逃亡は士道不覚悟にて介錯無しの切腹ものだ。

だだ、明らかに失敗とわかっているのに意地になって引かない為、ナルトによく説教されているのは気のせいだと思いたい。

強引な上司ほど始末に終えないものは無い、厄介ごとは早めに片付けるのが得策である。

もしもナルトが倒れたら、喜ばないだろうがアスマの首をもぎ取ってナルトの見舞いに行こう。

潔く間違った誓いを心に決め、『アス魔』と書かれた墓石を蹴り砕き崩れた岩の下からアスマを乱暴に引っこ抜く。


「いで! いででででででで!! バカ! もっとやさしくしろ!!!」


夜空はアスマの訴えなど当然無視し、素早く引っこ抜いてそのまま後ろに投げ捨てた。

「・・・・・・・・・テメェなぁ・・・・・(怒)」

「ゴメンナサイ、ココロカラハンセイシテマス」

至極どうでもよさそうに、心を込めてない形式だけの謝罪を簡潔に述べる。

やっぱりアスマは怒りに震えているが、夜空は気にせず『心の狭か男やね』とさえ考えている。

うずまき一家の辞書に情けや容赦と言った文字は一切無い、とはナルトの言葉。

しばらく不毛な言い争い・・・というかアスマが怒り、夜空が流すといった感じのやり取りが行われ漸く本題に入った。

「あんね、アス魔さん」

「・・・・・・待て、言葉に棘を感じるんだが・・・」

「セコか男やねアンタも・・・」

『やけん紅さんに嫌われるとよ?』と言いかけたが、コイツに言ってもどうせ無駄だと思い口に出さなかった。

納得がいかないと説明を求めるアスマをこれまた無視して、なるべく視線を合わせずに話を続ける。

「変態のアンタが紅さんをゲットする方法ば教えちゃる」

「前半は聞き捨てならんが・・・・・・後半はどういう意味だ?」

『オレと紅は恋人同士だぞ?』と曇りの無い瞳を向けるアスマに、夜空は何度目になるかわからない溜息を吐いた。

非常識人の集まるうずまき一家で生活するにおいて、もっとも重要なのは事実を在りのままに受け止め、尚且つ柔軟な思考で臨機応変に対応することである。

ある種信仰にも近い勘違いをしているこの変態に、今更何を言っても無駄であると夜空は悟った。

夜空は奇天烈な心理構造をしているアスマ城の外堀を埋めることから始めた。

「・・・じゃあ男前の恋人に素直になれん紅さんと、イチャイチャできる方法ば教えちゃる」


「言え! すぐに言え!! カモ―ン!! ハリーアップ!!」


今度の答えはお気に召したようで、息を荒くして詰め寄るアスマに迷惑そうな顔をする夜空だった。

もし紅に聞かれたら、間違いなくアスマ共々微塵切りにされていただろう。

「シャイな紅さんに直接迫っても意味は無か。
 紅さんが大切にしとるものを陰ながら見守るのがポイントばい。
 ・・・・・・わかっとるとは思うけど、間違っても家に着いていったりせんごつね」

「・・・・・・・・・・・・(冷汗)」

図星を指されて目が泳ぐアスマに、夜空は『コイツ頭大丈夫かね?』と思った。

「まぁ具体的にゆーたら、【うずまき ナルト】のサポートやね」

何故ここでナルトの名が出るのか?

何故それで紅の気が引けるのか?

などとは紅ゲットのため、ハァハァ言いながら懸命にメモを取るストーカーの頭には微塵も浮かんでこない。

―・・・・・・早よ帰りたか・・・・・・。

思っていても口に出す事のできないのが悔しい夜空だった。

「アンタの担当や無かけん
 任務中は無理やろうけどそれ以外の時は頼んどくばい。
 ・・・・・・・・・まぁ紅さんゲットのために精々頑張らんね」

「・・・・・・・・・・・・オマエ・・・本当は良い奴だったんだな・・・」

日頃どれだけ紅に冷たくされているのか知らないが、アスマは目を輝かせて夜空を見上げる。

変態に感謝されても全く嬉しくない夜空としては、一秒でも早く帰りたいのでアスマに背を向けてひらひらと右手を振った。

アスマには見えなかったが夜空の目元にはストレスでクマができ、表情はウンザリといった感じで疲れきっていた。

全くもって達成感はなくただ疲れただけで、アスマ城を攻略。

猿飛アスマ、人質により落城。









玉藻・夜空・雪のうずまき一家と、カカシ・アスマ・紅の担当上忍Sの6人はそれぞれの思惑を胸に里へ向かって歩き出した。

他の面々が晴れやかな笑みを浮かべている中でただ1人、夜空だけはアスマのストレスよって痛む胃を抑えて苦しんでいた。

しかしながら犠牲の甲斐あって、カカシ・アスマ・紅の3人は、可能な限りナルトのサポートをすると約束した。

当初はカカシがターゲットだったが、思わぬ収穫で紅とアスマまで味方につけた。

見事に思惑道理に事が運んで上機嫌の玉藻と雪だったが、彼女達は致命的なミスを犯した。

仮にカカシがナルトのサポートについて10ポイント役に立ったとしよう。

バカカシが10ポイントなら紅はその十倍は役に立つだろう。

・・・・・・・・・・・・問題は変態ストーカーことアスマである。

間違いなく役に立たないこの男がチームに与える損害をマイナス10としてもまぁ問題ない。

玉藻と雪はそう考えたのだが、

・・・・・・・・・足し算の計算はしていても、掛け算があることを忘れていたのだ。

カカシと紅、合わせて110ポイント。

それにマイナス10を掛ければプラスなど何処にも無い。

文字通り百害あって一利なしである。

これによりナルトは結果的にストレスで胃をやられることになる。

そして怒り狂ったナルトによって夜空と雪は鉄拳による制裁を喰らい、

首謀者の玉藻は24時間耐久スペシャルコースの仕置きで、主に肉体を攻められてピンク色の悲鳴を上げ続ける事になる。

余談だがそれを聞いたアンコが玉藻と一緒に仕置きを受けたいと自ら志願した。

・・・・・・まぁ、それはまた別の話だが。

彼等のおかげで明日の説明会でナルトに災難が降りかかる事になる。







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